那

 

1.取組方針

 

(1)「事業再生・中小企業金融の円滑化」への取組方針

当組合は、リレーションシップバンキングの機能強化計画推進において、

2年間の集中改善期間で取組んできた「中小企業金融の再生に向けた取

組み」21項目の個別項目に対する成果は、大部分実施できたが、事業

再生などは我々信用組合が主導的に再生を行うケースはなく、財務リス

トラ等にとどまり構造的要因に対応することは難しい面があり、知識の

習得や態勢の整備を成果としてきた。

今後新アクションプログラムに取組むに当たり、リレーションシップバ

ンキングの機能強化計画の主旨を継続し、主に次の項目を中心に取組む

方針である。

@    創業支援・経営支援に関しては、独自に「目利き能力の向上」を目的に、

研修等を実施する。一方で産業クラスターサポート金融会議や、政府系

金融機関等との連携による対応態勢を強化していく。

A    事業再生等については、多様な事業再生手法の活用を図り、早めに認識

し対応できる態勢をつくる。この様に組合内部の支援機能を強化するこ

とにより、引き続いて要注意先債権等の健全化に向け、従来から実施し

ている業況ヒアリング等を継続し成果に結びつける計画である。

B    リレーションシップバンキングの機能強化計画で、キャッシュフロー分

析の研修を実施し基礎知識を習得したが、更に知識面のレベルアップを

図りキャッシュフローを重視し担保・保証に過度に依存しない融資の推

進に取組み、地域の資金需要に応えていく方針である。

 

 

(2)「経営力の強化」への取組方針

リレーションシップバンキングの機能強化計画推進において、「健全性

の確保、収益性向上等に向けた取組み」の9項目の成果は、信用リス

クデータや担保評価の取組に未実施項目があった。また組合員の意見

を反映する仕組み作りも未実施となり、ガバナンスの強化面でも課題

が残った。

これら未実施項目の達成も含め、今後新アクションプログラムにおい

て次のとおり取組む方針である。

@    BIS規制導入に向け、内部格付制度の確立による信用リスクデータ

整備を図り、新たに事務リスク量の把握を含めたリスク管理態勢の充

実に取組む。

A    コストとリスク量を把握した管理会計の整備を図り、収益力向上を目指

したビジネスモデルを展開していく。

B    積極的に経営情報を開示して組合員・利用者からの評価を求めていく。

また組合員の意見を反映させた業務態勢を構築するよう、組合自体の

ガバナンスを強化し、組合、利用者の相互に意見を交流しながら地域

に密着した金融機関のあり方を目指していく。

C    コンプライアンス態勢の強化は、事故防止を重視したチェック体制を

強化して行き、新アクションプログラムでも引続き実施していく。

 

 

(3)地域の利用者の利便性向上

リレーションシップバンキングの機能強化計画の推進を通して、地域へ

の貢献活動に対する顧客からの評価は確立されてきており、新アクシ

ョンプログラムではこの態勢を引き継ぎ、更に強固なものにしていく

方針である。また活動内容がどう評価されるかが新アクションプログ

ラムの成否を占うものとなり、今後の地域密着態勢の確立に重要な

要因になると認識している。

 具体的な取組策としては、顧客満足度アンケート等を通し、利用者の

利便性向上に向けた取組みや、地元のまちづくりに積極的に参画して

いく態勢も整っており、真に地域の利用者の利便性向上に向けた取組

項目を実施し、地域密着型金融 の確立に取組んでいく方針である。